自作PCの組み立て中における注意点

組み立て作業中における注意点

静電気に気をつける

パソコンを構成する電子部品は、静電気に弱いパーツがほとんどです。
特に冬は、静電気が発生しやすく指先がパーツの基板に触れ「パチッ」と静電気がおきてしまうとそのパーツは、壊れてしまう可能性があります。
電子部品に触れるときは、ゴム手袋か木綿素材の手袋を使用して下さい。
また、作業前に金属製のドアノブ等を触って体に溜まった静電気を逃がしておきましょう。

濡れた手で電子部品を触らない

あたりまえですが電子部品は、水に弱いです。
濡れた手でパーツに触れ、パーツに水分が残った状態で通電するとショートして壊れてしまいます。
濡れた手で作業することや、水分をパーツの上にこぼさないようしましょう。

カード類は正しく持ち、正確に取り付ける

拡張カードやメモリは、なるべく基板上の電子部品が配置されてない部分を持ちましょう。
拡張カードならば、ケースに取り付ける為の金属部分と角を持って装着しましょう。
メモリは、電気端子のない上部の両角を持ち、力を入れてまっすぐ上から力強く押し込みます。
押し込む力が足りず、中途半端のまま通電されると正規の端子以外の部分にも電気が流れてしまいパーツが破損する恐れもあります。
正しく持つ、力強く押し込む、正確に取り付けることに心がけましょう。

取り外したネジの管理をする

組み立て作業中に、取り外したネジはきちんと管理しておきましょう。
ケースや小さな空き箱を使って、外したネジを分類しながら一時保管しておきましょう。
そして、どこから外したかメモしておくのもお勧めです。

ネジを落としたら必ず回収する

組み立て作業中にケース内にネジを落としたら必ず見つけて回収しておきましょう。
もし、ネジを落としたままパソコンの組み立てを完成し電源をいれてしまうとネジがパーツの回路に触れショートする恐れがあります。

ネジの規格を意識する

パソコンを組み立てるネジには「ミリネジ」と「インチネジ」の2種類があります。
見分け方は、ネジ部の螺旋の巻があらいのが「インチネジ」で、細かいのが「ミリネジ」です。
ミリネジの穴に、インチネジを入れるとネジの溝が壊れてしまいます。
逆に、インチネジの穴にミリネジを入れると、いくら回しても強く締め付けることが出来ず部品の脱落につながります。

自作PCを作るのに必要な工具

自作PCを作るのに必要な工具

  • ドライバーセット
  • ラジオペンチ
  • ニッパーまたは、ハサミ
  • 結束バンド(耐熱性)
  • ネジセット

ドライバーセット

大小各1本のプラスドライバーとマイナスドライバーが1本あれば、ほとんどのネジ止め作業は行えます。

ドライバーの金属部分が長めで、マグネット付がおすすめです。

ラジオペンチ

ラジオペンチは、先端部分が細く小さい物をつかめるペンチです。

PCケースにマザーボードをを取り付ける時のスペーサを締めるときに使います。

ニッパーまたは、ハサミ

結束バンドを切るのに必要です。

結束バンド(耐熱性)

PCケースの内部のケーブルを見た目が良いように束ねて結束するときに使います。

パソコンの内部は、結構高熱になるので耐熱性の結束バンドがおすすめです。

ネジセット

パソコンを組むのに必要な「ミリネジ」、「インチネジ」、「スペーサ」などがセットになっています。

メモ
ネジは、通常パーツに付属していますので絶対に必要と言うわけではありませんが。
ネジセットがあると重宝する場合もあります。

自作PC パソコンの主なパーツを選ぶコツ

主なパーツを選ぶコツ

CPU

なにはなくとも必要なのが「CPU」。
CPUの規格に合わせて、マザーボードなど他のパーツも絞り込んでいきます。
また、グラフィック機能が搭載されていたり、CPUクーラーが同梱されているCPUも多いので、これらの有無で別途必要となるパーツも変わってきます。

CPUの選び方 はこちらをご覧ください。

マザーボード

マザーボードはCPUをはじめすべてのパーツを接続する重要な基板。
チップセットというCPUとほかのパーツの橋渡しをするパーツが搭載されており、CPUが対応するチップセットを搭載したマザーボードを選択するのが鉄則。

マザーボードの選び方 はこちらをご覧ください。

メモリ

CPUが処理を行うときの作業領域となる重要なパーツ。
メモリには数多くの規格が存在するので、CPUやマザーボードが対応する規格の物を選択します。
また、使用目的に合わせて容量を選択するのも重要です。

メモリの選び方 はこちらをご覧ください。

ストレージ(SSD・HDD)

ストレージ(SSD・HDD)は、Windowsやアプリをインストールするパーツです。
SSDは、高価ですが速度は速く一方HDDは速度が遅い分価格も安いです。
システムは、高速なSSDに、ユーザーファイルはHDDに保存という具合に両方を搭載する手もあります。

ストレージ(SSD・HDD)の選び方 はこちらをご覧ください。

電源ユニット

すべてのパーツに電力を供給するパーツ。
一部のケースには電源が付属するものもあるが、ほとんどのケースは別途電源ユニットが必要となります。
搭載するパーツの総消費電力の容量(ワット)をクリヤする物を選びます。

電源ユニットの選び方 はこちらをご覧ください。

PCケース

すべてのパーツはPCケースに収納します。
いくつかのサイズの規格があり、マザーボードの規格に合ったケースを選びます。
書斎やリビングなどに置いて常に目につくのでデザインにも気を配りましょう。

PCケースの選び方 はこちらをご覧ください。

グラフィックボード

グラフィック機能が搭載されてないCPUの場合別途必要となります。
また、ゲミングパソコンを組む時などは、高性能なグラフィック機能が必要となります。

グラフィックボードの選び方 はこちらをご覧ください。

CPUクーラー

CPUにCPUクーラーが同梱されてないCPUを選択した場合、別途単体のCPUクーラーが必要となります。
オーバークロックを行うときなど冷却性能を高めたいときにも必要です。
また、LED搭載のCPUクラーにしてみても楽しいかも。

CPUクーラーの選び方 はこちらをご覧ください。

自作PC グラフィックボードの選び方

グラフィックボードの選び方

グラフィックボードは、
パソコンの画面をディスプレイに表示する役目をするパーツです。

自分が購入したCPUによってはグラフィック機能が内蔵されている製品もあります。

自分が購入したCPUにグラフィック機能が内蔵されているか確認してみましょう。

Webページの閲覧や動画鑑賞・オフイスソフトの利用などの一般的な用途でしたら内蔵グラフィック機能で充分です。

グラフィック機能が内蔵されてないCPU

Intel Core i シリーズでは 
型名の最後にFが付いている製品

参考ページ 
Intel製CPU Core i シリーズ  をご覧ください。

AMD製では
Ryzen G シリーズ以外のCPU

参考ページ
AMD Ryzen シリーズ  をご覧ください。

CPU に内蔵されているグラフィック機能を使う場合
映像の出力端子は、マザーボードの背面(バックパネル)にあり、グラフィック機能搭載CPUをマザーボードに装着すれば自動的に確認してくれます。

出力端子にも HDMI、DVIなど種類がありますので
ディスプレイを選ぶ際、対応する端子があるか確認しておきましょう。

自分が購入したCPUにグラフィック機能が内蔵されてない方やさらに上のグレードをという方は別途購入することになります。

グラフィックボードのメーカーは「NVIDIA」とRyzenの開発もとである「AMD」の2社です。

NVIDIA製 グラフィックボードの主流は、GeForce(ジーフォース)ブランド名で発売されています。

NVIDIA製 グラフィックボード

エントリークラス
GT1030

ミドルクラス
GTX1050
GTX 1050 Ti
GTX 1650
GTX 1060(6GB)
GTX 1660
GTX 1660 Ti

ハイエンドクラス
RTX 2060
RTX 2060 SUPER
RTX 2070
RTX 2070 SUPER
RTX 2080
RTX 2080 SUPER
RTX 2080 Ti

AMD製グラフィックボードの主流は、Radeon(レイディオン)ブランド名で発売されています。

AMD製グラフィックボード

エントリークラス
RX 550

ミドルクラス
RX 560
RX 570
RX 580
RX 590

ハイエンドクラス
RX 5700
RX 5700XT
RX Vega 56
RX Vega 64
Radeon Vii

クラス別用途は、

エントリークラス
Webページの閲覧や動画鑑賞・オフイスソフトの利用などの一般的な用途。

ミドルクラス
3Dゲームを目的としたいならミドルクラス

ハイエンドクラス
快適にゲームをプレイしたいならハイエンドクラス

をそれぞれ選びましょう。

最後に、グラフィックボードはハイグレードになるほど高価格です。
最初は、グラフィック機能が内蔵されてCPUにし余裕ができたらグレードアップするのもおすすめです。

その際、装着できるかサイズも確認が必要です。

自作PC PCケースの選び方

PCケースの選び方

PCケースは、
パソコンのすべてのパーツを収納する入れ物(箱)です。

マザーボードフォームファクタである
ATXMicroATXMini-ITX の規格に対応する3種類の大きさで区別できます。

ATX対応 のPCケースは、ミドルタワーと呼ばれ
ATX規格のマザーボードを利用する場合このサイズを必ず選ぶことが必須です。
大は小を兼ねるといいますが MicroATX 規格のマザーボードも納めることができます。
このミドルタワー型が自作パソコンで最も多く利用されています。
大きなサイズで置き場所を考える必要がありますが、その大きさは拡張性や冷却性能を高めるメリットがあります。

MicroATX 対応のPCケースは、ミニタワーと呼ばれ
MicroATX 規格のマザーボードを採用した場合このサイズのケースを選びます。
先ほどのミドルタワーでもさしつかえありません。

ミドルタワーより縦のサイズが小さくデスクの上においても邪魔にならないほどのサイズですが拡張性は落ちます。
搭載できるCPUクーラーやグラボの大きさに制限があります。

Mini-ITX のPCケースは、キューブ型などと呼ばれています。
17cm×17cmの小さなマザーボードに対応するケースです。
通常のATX電源も使えないこともあるので注意が必要です。

PCケースを選ぶ際、マザーボードのの規格のほかに自分が使用するパーツの大きさに応じて選ぶのも大事です。
PCケースのサイズは、大まかに3種類ありますが、製品ごとに細かく各部のサイズが異なるので、購入する際必ず各PCケースメーカーのホームページで細かな仕様を確認しておきましょう。

自分が使用するパーツ
CPUクーラーの高さが、PCケースの幅に収まるか
グラフィックボードの長さが、ドライブベイと干渉しないか
特に簡易水冷クーラーを自分が利用したいときは、搭載できるラジエーターのサイズを確認しておきましょう。

さらに、搭載可能な電源ユニットのサイズも確認が必要です。
同じATX規格の電源ユニットでも、製品によって奥行きサイズが異なり、奥行きの長い大型の電源は、PCケースによっては入りきらない物もあるので注意が必要です。

また、3.5インチのHDDや2.5インチのSSD、5インチの光学ドライブを利用する場合は、それぞれのPCケース内のドライブベイの数も確認しておきましょう。
最近5インチベイを搭載してないPCケースも登場してますので光学ドライブの利用を考えている方は5インチベイの確認が大事です。

あと
PCケースは常に目にするもなのでデザイン性も重要です。
最近は、カラフルなLEDで光るパーツが登場しそんな光るパーツを生かすなら、PCケースの側面に強化ガラスや透明アクリル板を採用したPCケースを選びましょう。

寝室やリビングにパソコンを置く場合静音性にも気を配りしましょう。
直径の大きな静かなケースファンをしようして天板や側板に吸音材を組み込んだ静音ケースも選択しのひとつです。

自作PC CPUクーラーの選び方

CPUクーラーの選び方

CPUクーラーは、名のごとくCPUを冷やす役目をするパーツです。

CPUは、小さなパーツながら高度な計算を超ハイスピードでこなすため多くの電力を消費します。
そのため、かなりの熱を発するパーツです。
もし、冷却しなければ100度にもなってしまい熱暴走で停止したり、最悪の場合CPUが壊れてしまいます。

CPUクーラーは、CPUに純正品(リテールクーラー)として付属している製品がほとんどです。
といってもIntelAMD製ともに純正品(リテールクーラー)が付属してないCPUもありますので確認が必要です。

Intelでは、オーバークロック対応の「K」付きCPUには純正品(リテールクーラー)はついていません。

Intelの純正品(リテールクーラー)なしのCPU
Core i9-9900KS
Core i9-9900K
Core i9-9900KF
Core i7-9700K
Core i7-9700KF
Core i7-8086K
Core i7-8700K
Core i5-9600K
Core i5-9600KF
Core i5-8600KF
Core i5-8600K
Core i3-9350KF
Core i3-8350K
Core Xシリーズ

AMD製では、Ryzn Threadripper シリーズのCPUには、純正品(リテールクーラー)はついていません。

CPUクーラーには、「トップフロー」「サイドフロー」「簡易水冷」の3タイプの種類があります。

サイドフロー
CPUの真上に設置したフィンに、横から風を当ててCPUを冷やす仕組みとなっています。
ファンの大きさが冷却性能の目安で、12cmや14cmの大型ファンを持つた製品が冷却性能が高いです。

自作パソコンでは、この「サイドフロー」型が最も使われており製品の数も多く出回っています。

「サイドフロー」型は、メモリなどのほかのパーツと干渉せずに、ファンやフィンを大型化して冷却能力を高めることができるのが特徴となっています。
さらに、ケースの前面から背面に向けて空気の通り道を作る、理想的なエアフローを構成できます。
安価な製品も多く手軽に利用できます。
トップフロー
CPUの真上からフィンに風を当ててCPUを冷やします。
CPUの周りのメモリやチップセットなどのパーツにも風が当たるというメリットがあります。
純正品(リテールクーラー)は、ほとんど「トップフロー」型となっています。
簡易水冷
液体を使ってCPUを冷やします。
CPUに水冷ヘッドを装着して、複数のファンを搭載したラジエーターと液体を満たしたチューブで繋ぐことで、CPUの熱をラジエーターから排出する仕組みとなっています。
CPUから離れた場所に設置できるのでファンの数を増やすなど大型化できるので、強力な冷却能力を持った製品も多く発売されています。
CPUの熱をラジエーターに運ぶ冷却液は、初めから封入されているので取り付け方も難しくありません。

簡易水冷型には、LEDを仕込んだものもあり、イルミネーションが楽しい光パソコンにするこができ市販のパソコンにはない個性的なデザインのパソコンが作れるのが自作パソコンの魅力です。

「トップフロー」と「サイドフロー」型のCPUクーラーの取り付け方法には、「プッシュピン」と「バックプレート」の2種類があります。

プッシュピン方式は、
クラーに付属するピンをマザーボードの穴にしっかりはめるだけで設置できます。
純正品(リテールクーラー)は、プッシュピン方式を採用しています。
バックプレート方式は、
マザーボードのの裏側に設置用のプレートを取り付けて、CPUクーラーを固定します。


CPUクーラーのサイズにも気をつけましょう!!


大型のファンやフィンを搭載した「サイドフロー」型のCPUクーラーでは、CPUクーラーの高さがケースに納まるか、ケースのスペック表で確認しましょう。
さらに、マザーボードのCPU周りのメモリやコンデンサなどのパーツと干渉しないかチェックしておきましょう。

自作PC 電源ユニットの選び方

電源ユニットの選び方

パソコンのパーツは、直流の12Vや5vで作動しています。
ところが、家庭に供給されている電気は交流の100vです。
よって、パソコンのパーツが動く直流の12Vや5vに交流の100vを変換するのが電源ユニットの役目です。

電源ユニットの規格は、主に ATX電源とSFX電源の二つに分類されます。

ATX電源は、PCケースのミドルタワー・ミニタワーケースに搭載することができます。
一方、SFX電源は、Mini-ITX対応のPCケースに搭載します。

ATX電源は、400W、500W、750Wなどと容量の違う製品が販売されております。
自分が使用したパソコンの構成によって消費電力が決まります。

消費電力を計算してその倍以上の容量の電源ユニットが必要になります。

消費電力を簡単に求める方法として
NETで検索してドスパラが提供している 電源容量計算 システム を利用させてもらいました。
こちらは、PC構成を選択するだけで合計使用電力が目安として表示され非常に便利です。

ドスパラの 電源容量計算 システム は、こちら

https://www.dospara.co.jp/5info/cts_str_power_calculation_main

電源ユニットは、電力の変換効率によって6種類のグレードに分けられています。

80 PLAS スタンダード
80 PLUS ブロンズ
80 PLUS シルバー
80 PLUS ゴールド
80 PLUS プラチナ
80 PLUS チタン

電源負荷率 100%時での6種類の変換率は、

80 PLAS スタンダード
80%

80 PLUS ブロンズ
82%

80 PLUS シルバー
85%

80 PLUS ゴールド
87%

80 PLUS プラチナ
89%

80 PLUS チタン
90%

変換効率が高い電源ユニットの方が消費電力は少なくてすみます。

自作パソコンの場合、最低でも80 PLASとうたってある製品にしましょう。